保護説得問題を収束へ

保護説得(救出カウンセリング)の根深さは、世間一般人の「偏見」という陰湿な根深さを改めて感じさせてくれる。
「偏見」というのは恐ろしい。

韓国では反日活動で日本大使館に汚物を投げ込んだり、車で突っ込んでも逮捕されない。
なぜなら、「反日」は韓国の世間一般では当たり前のことであり、法治国家でありながら、「反日」という名目で行動する限り、法に触れる行為も許されてしまうのだ。
果たして、「日本人」は全て悪人なのだろうか?

日本でも同様で、「反統一教会」は法を犯しても許されるという傾向が今でも根強く残っている。
今回の東京地裁の裁判で、保護説得を仕掛けた側が敗訴し、「12年5ヶ月の監禁」という信じ難い現実が裁判の場でさらされたにも関わらず、多くのマスメディアが口を閉ざしている。

朝日新聞や、デジタル版の産経新聞では記事が掲載されていたが、多くの大手日刊新聞で記事が取り上げられることはなかった。
この事実をもってしても、この日本は韓国同様「偏見」の根強さが深く残っていることを物語っている。

果たして、「統一教会」の教会員は、全て悪人なのだろうか?
あるいは、いずれ教会員全員が犯罪人にされてしまうのだろうか?


そんな中、スポーツ新聞が、今回の裁判に関してまともな記事を書いていたので紹介しておく。

脱会強要し、12年5ヶ月監禁
統一教会信者勝訴判決の今後

世界基督教統一神霊協会(以下、統一教会)の信者で全国拉致監禁・強制改宗被害者の会代表の後藤徹氏(50)が12年5か月間にわたって監禁され、棄教を強要されたとして総額2億161万8527円の損害賠償を求めた民事訴訟で、東京地裁(相澤哲裁判長)は28日、後藤氏の親族ら被告に対し、483万9110円の支払いを命じる判決を下した。統一教会側の勝訴となった。


後藤氏は大学4年時の1986年、統一教会に入会。ところが、それに反対する両親、兄夫婦、妹が脱会説得の専門家である宮村峻氏とともに後藤氏を監禁し、脱会を強要した。


後藤氏は12年5か月もの間、外出の自由を奪われただけではなく、信教の自由を侵され、2001年、兄夫婦、妹、宮村氏らを相手に訴訟を起こした。
事情を知る関係者の話。


「ここは信教の自由や基本的人権が認められた法治国家のはず。いくらなんでも脱会させるために約12年もの間、監禁していいはずがない。
後藤さんは栄養失調や、廃用性筋萎縮(筋肉を長期間使わず萎縮が起こること)などの傷害を受け、入院するまでになった」


統一教会といえば、さまざまな問題を報じられているため、世間のイメージが悪い。それゆえに脱会のためには、何をやっでも許されるという風潮があるのは確かだ。

また、宗教や家族の絡む問題に警察の動きも鈍く、なかなか被害の実態がわかりにくい。
後藤氏のケースでも当初刑事告訴したが、不起訴処分となり、民事に切り替えた経緯がある。
原告側の福本修也弁護士は 「拉致や監禁の責任を認める司法判断はこれまでなかった。そういう意味では、大きな一歩です」と一定の評価を与えた。

「おびえなくても信仰を持つことのできる日本になってほしい」と訴えた後藤氏。判決内容にはまだ不服な点があるとして、陣営は控訴するつもりだという。

日刊東京スポーツ新聞 2014年1月30日号より引用


後藤さんと監禁解放後に話したことがあるが、12年5ヶ月も監禁されたのにも関わらず、監禁を実行した親族に対して強烈な恨みを抱いているわけではなかった。

普通なら自分の人生の大半を破壊したものたちを刺し殺したい位の衝動に駆られてもおかしくはない。
正直、12年5ヶ月という期間を奪われた賠償が480万ぽっちで足りるはずがない
しかし、後藤さんは監禁中に信仰的な使命感を感じたらしい。

保護説得問題は、後藤さんほどの長期間ではなかったにせよ、社会の水面下で多くの人々が苦しんでいったケースが数多くある。

そして、今尚、心ないキリスト教牧師や弁護士の煽動によって、罪のない教会員が長期間監禁され、精神的に傷ついていくケースが増えている。

後藤氏は、自分自身の恨みを晴らすという小さな目的ではなく、そういった保護説得問題を解決に導きたいという壮大な目的を持って裁判を起こしたらしい。
南アフリカでは、ネルソン・マンデラ大統領の働きかけで、随分とアパルトヘイト問題(人種差別問題)が収束していった。

根深く残る『偏見』を拭い去るには、ネルソン・マンデラ氏のような『赦し』の心が必要なのかもしれない。

保護説得新聞記事


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