国会での「保護説得問題」質問応答
保護説得問題は、実は国会でも議論された事がある。
これはある自由民主党衆議院議員が、勇気を振り絞って警察庁長官や警察関係者へ質問を投げかけた内容だ。
詳しくは、国会会議録のホームページの簡単検索で、<期日:平成12年4月20日、発言者名:桧田仁、会議名:衆議院 決算行政監視委員会 第三分科会>で検索すると出てきます。
国会会議録HP
何故か質問を始める前に、この議員がしきりに「身の危険」を恐れて次のように答弁している。
「・・・この質問をすることで万が一にも組織的犯罪者の危害が加わることがないように、本当に異例の要望をした上で、この質問を始めさせていただきたいと思います。
・・・家族すらも迷いに迷った上での質問でございますので、国会議員としての名誉をかけて質問いたしますので、どうぞ警察庁長官は、万一組織的に拉致監禁する者たちが、あるいは組織的暴力を行う者たちが、私桧田衆議院議員はもちろんでございますけれども、私の家族や周辺やあるいは政治的なあるいは大きな組織が行われない、この前提をもって命運をかけた質問を、きょう、私桧田(ひのきだ)、させていただきます。・・・」
これだけ悲愴な決意をして質問するという事は、拉致監禁(保護説得)を実行する組織というのは、背後でなにか相当恐ろしい団体と繋がっているのだろうか・・?ヤクザ? 政治団体?
議員の質問内容は、「拉致監禁(保護説得)を警察が了承していた、さらに元警察官が加担していた」という事実を追求する内容だ。
それはアメリカ国務省が1999年に出した人権に関する報告書で、統一教会の信者が拉致監禁被害にあっていることに、警察が組織的に拉致、監禁、暴行等傷害事件を何ら救済をとらないばかりか、取り締まりをしないという報告がされていることに基づいている。
(アメリカでは強制改宗、拉致監禁は違法行為である。)
議員の意を決した鋭い追求が印象的だ。
統一教会信者が1年3ヶ月も監禁された事件も例にあげられる。
それに対して警察は、ありきたりの返事をし、終盤は警察にとってまずい証拠を突きつけられて困惑する様子が伺える。
答弁の終盤、議員はこのように述べている。
・・・実は、私はなぜこの問題をきょうここで問題にしているかというのは、宗教の問題でやっているのじゃありません。
米国が気にしておりますように、日本で警察権を法のもとに平等に行われているということを非常に危惧している点が第一。
第二番目は、この問題は、実は二十年来、一年間約三百人程度が組織的に、親の気持ちとは別に、拉致監禁している集団があるからなのです。・・・
・・・過去に、こういう動きをした者に反撃する集団が日本に組織的にあって、組織的に計画書をつくり、そして先ほど言ったように、個々の拉致監禁計画書をつくって事前に警察に連絡して了承を求める文書まで出している、こういうことが日本で行われていいのかどうか。・・・
・・・警察庁長官、この組織的拉致監禁集団は、一部の牧師、一部の元警察官、しかも組織的に全国でやっている。こんなことを日本で許していいのか。
・・ある意味では、国家に対する、警察に対する重大な挑戦と思いますが、いかがでしょうか。
議員の力説は続き、警察方はあいまいな返事をしたまま、時間切れとなった・・
保護説得の問題は、国の問題にまで発展した内容だ。
この国会答弁が功を奏したのか、2000年以降は年々被害の件数は減り、2003年の今利裁判で最高裁が一審二審の判決(被害者有利で進んでいた裁判が、判決直前突然裁判官が変えられて、信じられない逆転敗訴となった、いわく付きの地方裁判)を覆して和解となったのを境に、保護説得は激減した。
(噂では、有名な新体操の山崎ひろ子を保護説得によって脱会させたS牧師は、もう二度と保護説得はしないと言っているらしい。)
しかし、未だにその”味”を忘れられない一部の牧師が、家族の不安を煽って未だに保護説得(拉致監禁)を続けている。
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