強制改宗とは違うが、考えさせられる監禁事件が起きた。
約二年ぶりにマスメディアに明らかにされたようだ。
<札幌監禁>娘を8年間自宅に 19歳で保護
毎日新聞 2008年10月30日
札幌市北区の女性(21)が小学生の時から19歳で保護されるまで約8年間にわたり、母親によって自宅に監禁状態に置かれていたことが毎日新聞の取材で分かった。
女性が通った市立小中学校は監禁に気付かず、いずれも「不登校」として処理。市保健福祉部も別居中の父親から相談を受けながら具体的対応をとらなかったという。
この事件は、母親が犯行主だ。
記事によると、娘さんは、小学校高学年からかなり学校への登校は少なくなり、中学校1年で2日間だけ、中学校2年以降は完全に監禁状態になった。
母親は「娘が連れて行かれる」などと話すようになったという。
普通の人であれば、そこまでは考えないはずだ。
なぜそのように考えるようになったのだろうか?
例えば、母親の親しい人で、物凄く「アンチ学校」、「学校嫌い」の人がいたとしよう。
学校で起きた事件、学校登下校時の誘拐事件を数多く集めている。少女を狙った異常犯罪者の資料をたくさん集めている。
そして、同じような学校犯罪、異常犯罪者の研究者を紹介されて、娘さんを学校に通わせると、必ず被害に巻き込まれると教え込まれる。
現に、同じ小学校の女の子が被害にあっていると脅される。
母親は恐怖感に駆られて、娘を家に監禁する。
そのような経緯があったのだろうか?
もしそうであれば、母親には罪はないのだろうか?
良識ある人が考えれば、「娘が連れて行かれる」という可能性は完全に否定できるわけではないが、そんなことは普通ないし、それよりも監禁してしまうことの方が彼女の人格・精神を傷つけることになるということは容易に理解できる。
公的機関が介入しなかったことも、「保護説得」と似ている。
統一教会信者の監禁強制改宗事件である「保護説得」は、数多くあるが一般メディアからは黙殺される傾向にある。
しかし、このブログでも紹介したように、監禁期間は長いもので12年間という信じ難い事実がある。
監禁による心神疾患、PTSD、自殺未遂、自殺まで起きている。
監禁を実行してしまう親は、「アンチ統一教会」「統一教会嫌い」「統一教会を叩く事によって利益を得られる人達」によって、教育を受け、統一教会に所属していると、必ず犯罪者になると精神的に脅迫される。
そして親は恐怖感に駆られて監禁を実行してしまう。
当然、一部良識のない信者が行ったとされる「買わないと先祖が不幸になる」などと脅迫的な発言によって物品を販売することは、許されないことである。
しかし、統一教会の内部を知っている人からすると、普通に社会に溶け込んで生活している人がほとんどであるし、むしろ、キリスト教教義に基づいた謙虚で穏やかな人達が多いというのが一般信者を知る人達の共通した意見である。
しかし、一度恐怖感を植え付けられた親は、それを信じようとしないし、マイナーな宗教の実態など世間体を恐れて自分で確かめようともしないことが多い。
“偏見”とは恐ろしいものである。
平気で「罪のない身内」の自由を奪う。
それは、果たして救出と呼べるのだろうか?
札幌で監禁されていた娘さんは、発見時、筋力が弱まり自力では歩けない状態だった。
現在、「監禁による知的障害」と認定を受け、福祉施設で治療を受けている。
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